「工商時報_名家評論コラム」: 対中投資と技術協力の違いについて

2022-07-06

現在台湾の法令が中国への投資を厳しく規制をしている状況において、企業は些少でもうっかりすれば、新台湾ドル2,500万元の過料もしくは2年以下の有期懲役に処される可能性がある。そのため、本稿では、企業に分析とアドバイスを提供したい。

作者

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 現在台湾の法令が中国への投資を厳しく規制をしている状況において、企業は些少でもうっかりすれば、新台湾ドル2,500万元の過料もしくは2年以下の有期懲役に処される可能性がある。そのため、本稿では、企業に分析とアドバイスを提供したい。

 まず、どのような項目は投資できるか、どのような項目は規制されているかについて見てみたい。経済部は「投資項目」につき、「禁止類」と「一般類」に分けている。「禁止類」とは、経済部が公告した「大陸投資ネガティブリスト:農業、製造業及びサービス業等の対中投資禁止製品項目」(以下は「ネガティブリスト」という)に示されたものであり「禁止類」以外のものは、「一般類」に該当する。また、ネガティブリストでの項目(産業)には、禁止類であると誤解されやすいものもあるが、実は特殊な「審査原則」を適用するのである。企業は、投資しようとする製品項目が一体「禁止類」なのか、「一般類」なのか、それとも特殊な審査が必要な項目(産業)なのかを詳しく検討したほうがよい。「禁止類」でない状況だけで、投資と技術協力を行うことができる。

 「投資項目」を検討するほか、次に注意していただきたいのは、何が「投資」で、何が「技術協力」なのか。

 「投資」行為は6つに分けられている。一、新規会社や事業を創設すること。二、当地にある会社や事業に増資すること。三、当地現有会社や事業の株式を取得すること(ただし、上場企業の株式購入を含まない)。四、支社や事業を設置・拡大すること。五、第三地域の会社や事業に直接か間接に投資し、その取締役、監察人、支配人もしくはそれに相当する職位についている場合、又は所有する株式もしくは出資金額が10%を超え、同社や同事業に前述の4つの行為の中の1つが該当する場合。六、外国の発行者の台湾における上場・店頭公開・エマージング登録企業の株式を取得し、同外国の発行者は中国にて前述の4つの行為の中の1つがある場合。
 前4種類の状況は、条項の文脈から見ても分かりやすく、適用される時に疑問がない。しかしながら、、後ろの2種類は、組織の構造調整や株式持ち合い、関係企業等にかかわっているため、うっかりして違法することのないように、主務官庁の解釈と今までの事例を詳しく分析した方がよいと考える。

 また、「技術協力」は2種類に分けられている。一、専門技術、特許権もしくはコンピュータープログラムの著作権を中国の国民、法人やその他の機構に直接か間接に譲渡、もしくは許諾すること。二、中国にて投資を従事し、主務官庁が招集したキーテクノロジー委員会によって審査・許可され、かつ投資審議委員会に許可された者がその出資を中国の国民、法人やその他の機構に譲渡する場合は、技術協力と見なされる。

 上掲の規制につき、ある程度の目的は技術の流出防止である。そのため、経済部投資審議委員会が「よくある質問」において、次のような状況は実質的な技術流出にかかわっていないので、申請しなくてもよいとされている。

1、 台湾の業者は、中国の業者が提供した仕様に基づいて設計・製造し、中国の業者が最終的に取得するのは、1つの商品及び一般的なビジネス行為のサービス提供の補助行為である場合。

2、 台湾の業者は、中国の業者と締結した製品開発契約に基づき、製品の設計及びそれの補助行為(背景知識のライセンスの許諾等)を行う。その中で、中国の業者は、製品の設計及び関連研究開発プロセスに実質的に参与していない場合。

3、 音楽作品、映像作品、書籍作品、ゲーム等製品の制作会社である台湾の業者は、デジタル化した音楽作品、映像作品、書籍作品、ゲームの使用許諾を提供し、中国の業者が運営するオンラインプラットフォームにおいて、ダウンロードサービスを提供し費用を受け取る場合。中国のプラットフォーム業者に著作権を許諾することは、その業界の運営モデルであり、著作権の実施許諾や移転にかかわっていない場合。

4、 中国の子会社が台湾の本社から研究開発を委託されたため、台湾の本社は若干の技術を中国の子会社に許諾したが、中国の子会社の開発成果は、台湾の本社が取得する場合。

5、 台湾の本社のために、中国の子会社が修理・メンテナンス等のアフターサービスを中国のクライアントに提供する。そのため、本社は若干の技術を中国の子会社に許諾する場合。

 最後、台湾の企業が中国に投資や技術協力を行うとき、法令遵守を特に心掛けていただきたい。一線を越えてしまい運営に影響し、そして刑事責任まで問われてしまうことのないよう、法務チームや外部の顧問のアドバイスを求めたほうがよいと考える。
(この文章は「名家評論コラム」に掲載。https://view.ctee.com.tw/tax/42271.html