中央銀行及び金融監督管理委員会、金融機構にLIBOR公表停止リスクに対応することを要請

2020-03-10

イギリスの金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)は、2022年1月1日から会員銀行にLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の提示を強制しないことを公表した。LIBORが2021年末以降に消滅するかもしれない状況の中、中央銀行及び金融監督管理委員会は合意を形

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イギリスの金融行動監視機構(Financial Conduct Authority, FCA)は、2022年1月1日から会員銀行にLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の提示を強制しないことを公表した。LIBORが2021年末以降に消滅するかもしれない状況の中、中央銀行及び金融監督管理委員会は合意を形成し、2020年2月25日にニュースリリースの発表をもって、銀行組合に関連対応対策を検討することや、金融機構にLIBOR公表停止がもたらすリスクに注意するとともに、取引先及び投資者にも充分に分かってもらうようと呼びかけた。

 かつてLIBORは一番よく参照された金利であり、現在世界中の金融商品、例えばデリバティブ金融商品や企業ローン、変動利付債、証券化商品など、主にLIBORを価格を定める基準指標としている。中央銀行及び金融監督管理委員会はLIBOR公表停止のリスクに対し、金融機構に関連影響を慎重に検討し、適切に対応するようと呼び掛けている:

一、 代替金利指標を用い、移行計画を検討する。現在LIBORは5種類の通貨(ドル、ユーロ、ポンド、日本円、スイスフラン)で呈示され、各通貨の主務官庁は市場参与者に応用させるため、それぞれの代替基準指標(SOFR、€STR 、SONIA、TONA及SARON)を提出した。

二、 LIBORを指標とした既存契約をチェックし、影響される可能性が大きなクライアント及び取引先と積極的に交渉し、関連契約の修正を協商する。

三、 LIBORの公表停止と移行がもたらすリスクを認識し、業務の流れや経理・税務作業、リスクアセット及び資金需要モデル、情報システムなどに及んだ影響に対し、対応対策を作成し、定期的にチェックする。

 銀行組合は今年3月末にLIBOR公表停止の対応対策を提出し、中央銀行及び金融監督管理委員会に報告する予定である。現在一番好ましい代替案はSOFR(担保付翌日物調達金利)であり、LIBORに比べ、SOFRはニューヨーク連邦準備銀行が公表する金融会社の実際の一晩取引に基づき、米国債や政府債務を担保とする現金を借入れるレートである。SOFRの長所は不正操作されにくいが、短所は揺れ動きやすいことである。