「工商時報_名家評論コラム」: 自動車購入に朗報 台湾、米「レモン車」規定を取り入れる

2021-08-23

新たに改正された〈自動車売買定型約款記載すべき事項及び記載してはならない事項〉は、2021年7月1日から施行された。米国のレモン法を参照し、「レモン車(欠陥車)」条項を取り入れたほか、自動車を購入する権益を保障する新しい規定が多数あり、その改正内容を次のように簡単に紹介する。

作者

作者

魏芳瑜

新たに改正された〈自動車売買定型約款記載すべき事項及び記載してはならない事項〉は、2021年7月1日から施行された。米国のレモン法を参照し、「レモン車(欠陥車)」条項を取り入れたほか、自動車を購入する権益を保障する新しい規定が多数あり、その改正内容を次のように簡単に紹介する。

重大瑕疵の新車交換及び解約
 重大瑕疵(急発進、ブレーキ故障、エンジンストール、エンジン温度が限界まで上がる等、命若しくは健康安全を害するおそれのある重大瑕疵を指す)につき、メーカーが数回の修理をした後も故障が発生した場合、消費者は新車に交換する、若しくは解約を主張することができる。元の記載すべき事項では、一部の項目につき、双方は修理の回数を自由に約束することができると定めたため、メーカーは多めの修理回数を書くことによって、消費者を不利にさせる可能性がある。改正後の第七点では、発火事故以外の重大な瑕疵につき、双方が約束する修理回数は2回を上限とし、消費者の権益を保障する。発火事故の瑕疵について、改正前後とも修理せずに新車交換若しくは解約することができると定められている。

 納車後どれぐらいの期間内でこのような重大瑕疵が発生した場合、消費者は新車交換若しくは解約を主張することができるかについて、元の記載すべき事項では、双方は自由に期間を約束することができると定めたため、メーカーは短めの期間を記載することによって、消費者を不利にさせる可能性がある。改正後の第七点では、「標的物の交付後〇〇日(180日以下にしてはならない)若しくは走行距離〇〇キロメートル(12000キロメートル以下にしてはならない)以内(のいずれか早い方)」という一定期間及び走行距離の範囲の下限を明確に規定し、消費者の権益を保障する。

 このような重大瑕疵につき、元の記載すべき事項では、消費者に「同型の新車」の交換若しくは解約解除の権利しか与えなかったが、改正後の第七点はメーカーに同型の自動車はもうないことを考慮し、消費者が「等価の新車」に交換することを要求できると新たに取り入れた。

「レモン車」の新車交換及び解約:
 米国の「レモン車」条項を参考し、記載すべき事項に第八点、自動車の同じ瑕疵が4回以上修理してもなおかつ故障し、若しくは修理することによって自動車の使用できない期間が30日以上続く等の特定状況について、消費者は同型若しくは等価の新車に交換し、又は売買契約の解除を要求することができる、と新規に追加した。重大瑕疵による契約変更や解約に比べ、単純な「レモン車」による契約変更及び解除が必要な修理回数は一段と多く、厳しいのである。第八点の「標的物何度修理しても直らない効果」の詳しい内容は、次のような状況の一つに当たる場合、消費者は同型(若しくは等価)の新車に交換、又は契約解除を請求することができる。

(一) 交付後〇〇日(180日以下にしてはならない)若しくは走行距離〇〇キロメートル(12000キロメートル以下にしてはならない)以内(のいずれか早い方)に、同じ瑕疵により整備マニュアルに記載されている場所において、4回以上修理しても正常な機能を取り戻せない場合。
(二) 交付後〇〇日(180日以下にしてはならない)以内、機能的瑕疵により正常に使用できない自動車は、整備マニュアルに記載されている場所において、修理する日にちが30日以上達する場合。但し、次のような状況の一つがあれば、その期間は累計しない。1、消費者が知らせた通りに車を取りに行かなかった期間。2、修理工場へ修理に出す際、消費者に代車を提供し、若しくは代替手段の費用を助成する合理的期間。前項の規定は、消費者が法律又はメーカーの保証によって主張できる権利を妨げない。そして、記載すべき事項第一点に、明文に契約の審査期間は、少なくとも3日以上にしなければならないと追加した。

元の記載すべき事項第二点では、契約に自動車のメーカー、仕様、色、排気量、産地等を記載すべきと規定しているが、将来双方が自動車に必要な性質若しくは機能に対し争うことを防止するために、「特約事項」という欄を追加した。

改正後の記載すべき事項第三点では、手付金は原則的に総価額の10%を越えてはならないと規定している。しかし実務上では、限定車、特注車若しくは特別仕様車等を購入するとき、比較的に高額の手付金を約束する必要があるため、例外として双方は10%より高い手付金を特段に約束することができると規定した。それに、改正後の第三点では、分割払いの年利は20%を越えてはならないと規定している。

元の記載すべき事項の第四点では、車が売買契約を締結してから輸入された場合、実際の通関日の為替レートで価格を計算すると規定していた。しかし、今回の改正では、当該規定を削除し、双方が別途に約束がある場合を除き、原則的に売買契約が締結された後の為替レート変動により価格を調整してはならない。

(この文章は「名家評論コラム」に掲載。https://view.ctee.com.tw/legal/31790.html