「工商時報_名家評論コラム」: 一段と柔軟、友好的な企業M&A改正案

2022-01-26

2021年末、行政院は、経済部が作成した企業M&A法改正草案を可決した。改正のポイントは、次の通りである:「非対称M&A」要件に対する緩和、M&Aの関連租税の優遇措置の拡大、及び司法院大法官が2018年11月30日付け釈字第770号解釈にて、現行のシステムではM&Aにおいて株主に対する保護が不足して

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2021年末、行政院は、経済部が作成した企業M&A法改正草案を可決した。改正のポイントは、次の通りである:「非対称M&A」要件に対する緩和、M&Aの関連租税の優遇措置の拡大、及び司法院大法官が2018年11月30日付け釈字第770号解釈にて、現行のシステムではM&Aにおいて株主に対する保護が不足していることを認め、M&Aを行う時、株主に対し情報開示義務及び合併に反対する株主の買収請求権等ことが盛り込まれている。本稿は当該草案の改正理由について、下記の通り紹介する。

一、 非対称M&A要件の緩和
現行の企業M&A法では、企業間の非対称M&A(大が小を呑む)が認められているものの、「買収した企業がM&Aに支払う株式は、その発行済み株式数の20%を超えない」及び「その支払う現金及びその他資産の対価総額は、純利益の2%をを超えない」の二つの要件を同時に満たす場合、株主総会で決議しなくても、取締役会が特別決議でM&Aを行うことができる。

 しかしながら、この海外の「非対称M&A」システムを台湾に取り入れてから、実務上では、その要件を満たしかねるため、M&Aに柔軟性と効率性を追い求めない状況がしばしばある。そのため、企業M&A法改正草案第18条において、非対称M&Aの株主総会決議を経る必要がない要件を緩和した。買収した企業は、「M&Aに支払う株式は、その発行済み株式数の20%を超えない」もしくは「その支払う現金及びその他資産の対価総額は、純利益の20% をを超えない」のどちらかを満たす場合、原則的にM&A契約を締結することができ、取締役会が直接に特別決議でM&Aを行う。この改正後の柔軟なM&A要件は、株式転換(企業M&A法改正草案第29条、転換契約を作成することができる)若しくは分割(企業M&A法改正草案第36条、分割計画を作成することができる)の場合も、適用することができる。

 このキーポイントの緩和により、体質が健全な企業は、組織を調整する可能性が高まり、一層速やかに進行することができるので、ビジネスチャンスを見逃さない。

二、 租税優遇措置を拡大
 その一、企業がM&Aにより取得した無形固定資産は、実際の取得コストによって、一定な年限内に均等に配分し、償却することができる。

 企業のM&Aは、通常自社の競争力向上、体制強化、そして組織を長らく発展させるための重要な手段である。そのため、M&Aを行うとき、その買収価額が純資産の公正価値のうちぶ以上である場合、財務会計処理手続きにおいて、識別できる無形固定資産と計上され、剰余金額は「のれん」に計上する。

 前掲の会計処理手続を確実にM&Aの実務に実践するため、企業M&A法改正草案は、第40条の1を増訂した。すなわち、企業が合併、分割もしくは企業M&A法第27条、第28条に従い、営業又は財産を買収することにより、「識別できる、企業に支配されることができる、将来経済的な利益及び金額のあることは予測できる」無形固定資産を取得した場合、実際の払込コストに従って、一定な年限内に均等に配分し、償却することができる。これによって、企業はM&Aを行う際に、市場を開拓する能力を一層高められる。

 その二、買収されたベンチャー企業の個人株主が取得した株式の対価が所得税法に従い算出した配当金所得について、その所得税の納期限は全部次年度から第5年に繰り下げることができる。

 ベンチャー企業の個人株主に合併する意向があるものの、その会社の体制や株主個人の経済力を考慮すれば、合併した年度に全ての税金を納付することができないかもしれない。そのせいでM&Aを影響し、ビジネス活動の活発を妨害する可能性がある。政府はベンチャー企業の投資環境に関する行動計画を最適化し、ベンチャー企業を買収するのに友好的な環境を作り上げるため、企業M&A法改正草案において、特別に買収されたベンチャー企業の個人株主に対し、税金の優遇を設けた。当該消滅会社、被分割会社が、(1)設立登記日からM&Aを決議した日まで、5年未満の企業もしくは(2)非公開発行会社であり、合併により消滅し、又は分割され、当該個人株主が(1)合併後存続もしくは新設する会社の株式、(2)分割後既存若しくは新設する会社の株式、又は(3)外国企業の株式を取得するとき、所得税法の規定に従い算出した配当金所得について、その所得税の納期限は全部次年度から第5年に繰り下げることができる(企業M&A法改正草案第44条の1)。これにより、ベンチャー企業を買収する環境の最適化を促すことができる。
(この文章は「名家評論コラム」に掲載。https://view.ctee.com.tw/business/36103.html