【工商時報_名家評論コラム】 労働組合をつくっちゃダメ?企業のNG行為について

2024-01-10

米国の企業があらゆる手段を通し労働組合の結成を抑制することは、よく耳にする。例えば、結成する段階で組合員でありそうな従業員と一々面会し、頻繁な説得ないし脅迫で労組の投票を食い止めたり、従業員が組合の会議に参加するとき、わざとシフトに入れる、若しくは休ませなかったり、組合に加入すれば従業員に対する新株

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米国の企業があらゆる手段を通し労働組合の結成を抑制することは、よく耳にする。例えば、結成する段階で組合員でありそうな従業員と一々面会し、頻繁な説得ないし脅迫で労組の投票を食い止めたり、従業員が組合の会議に参加するとき、わざとシフトに入れる、若しくは休ませなかったり、組合に加入すれば従業員に対する新株予約権がなくなる可能性があるとSNSに投稿する等、これらの行為は、違法する恐れがある。

世界的なコーヒーチェーン店「スターバックスコーヒー」が従業員の組合結成を阻止するために、2022年7月から23軒の店を次から次へと閉店した。2023年12月、米国の全国労働関係委員会(NationalLabor Relations Board)は、スターバックスコーヒーのその行為が不当労働行為に認定し、店を再開して影響を受けた従業員に賠償するように要求した。

前述の米国の企業の組合結成を妨害する手段について、台湾でも似たような事例がいくつかあった。例えば、大愛テレビ局(慈済伝播人文志業基金会)のニュース編集スタッフが密かに他の従業員と組合を結成しようとしたため、その人事評価が上司より不利益取扱いされ、結局2015年5月に解雇された。2016年7月、嘉里大栄貨運の運転手がフェイスブックのファンページ「爆料公社」において組合結成の呼びかけを投稿し、「ブラック会社」という用語を使用したことで会社の名誉を毀損し、他の従業員に会社の労働条件を疑わせ、従業員の向心力を動揺した等を理由に、組合結成を呼び掛けた運転手を解雇した。

また、環球科技大学が2020年に教師の学術研究費用を削減し、同年11月、同校の教師たちは自分の権利を保護するために「台湾高等教育産業組合 環球科大支部」を組織しようとしたが、学校側は当該組合の結成準備会を「争議行為」と見なし、教室の貸出を拒否したため、校内で会議することができなかった。これらは、労働部の「不当労働行為裁決委員会」により不当労働行為と認定された事例である。

長年にわたり、台湾における労働組合の結成率は低く、人数の一番多い職業別労働組合は、大抵労働保険や健康保険に加入させる機能しかない。一般の国民と労働者自身は、組合の機能や組合運動に対する認識も非常に不足である。2016年から2019年の間、航空業界の3回のストライキ(チャイナ航空客室乗務員、チャイナ航空機長、エバー航空客室乗務員)が航空運輸だけではなく、関連する旅行業界、観光業界にも広く影響したため、台湾における労働者の権利意識を次第に呼び起こした。2023年12月8日、労働部もホームページにて「労働組合結成の参考手引き(企業編)」を公表し、労働組合を組織したい労働者は初めてても自由にダウンロードし、使用することができる。

労働者個人が企業と対等な実力で交渉することは難しいからこそ、労働組合が労働者の代わりに企業と話し合う必要はある。労働者が企業に対してまだ期待しており、労働条件の改善により長年の間企業のために勤めることができ、企業も人材を引き留め、持続的に発展し経営することができる。そうでなければ、労働者は退職して、他の職場を探せばよいである。そのため、企業は組合を結成しようとする労働者を積極に接すべく、組合を恐れてはならない。組合結成を阻止するあらゆる手段は、違法だけではなく、将来労使関係の発展にも役に立たない。

 

この文章は「名家評論コラム」に掲載。https://www.ctee.com.tw/news/20240109700099-431305