コロナパンデミックの発展につれて、コロナ保険に関する保険金や給付金の請求は、保険会社の財務に一定なプレシャーをかけている。保険会社から受け取った保険金や給付金は所得になるか、税金かかるか、との疑問を抱えている人も多いでしょう。
定額保険は生命保険である
保険契約は、その保護・補てんする内容が被保険者の具体的損害か抽象的な損害により、財産保険、生命保険、損害保険と定額保険に分けられている。財産保険とは、文字の通り財産を保障し、生命保険の保障の対象は人間の命である。損害保険が補てんするのは、金銭で見積もることができる具体的な損害であり、例えば医療費用に関する給付金は、医療費用の支出により生じた経済的損失を補てんするためである。その一方、定額保険は金銭で推定できない抽象的な損害を補てんするものであり、例えば疾病や傷害による命や体、健康等の損失を指す。
簡単に言うと、保険の目的は、具体的な損害を補てんするものであり、損害保険のカテゴリに入れば、財産保険は損害保険の1つである。それに対する概念は定額保険であり、即ち生命保険である。命の計り知れないほど貴重なので、このような保険契約の当事者は保険金額を自由に約定でき、保険の対象となる所定の事故が起こった場合、抽象的な需要を補てんする保険である。
防疫保険は、大部分が定額保険もしくは損害保険を兼備するものである
台湾で言うコロナ保険とは、新型コロナウイルス感染症に対応して、一般市民が保険会社に保険料を支払い、保険会社が一般市民(通常契約者及び被保険者を指す)と約定した事故(感染、隔離もしくは医療を必要とする時)が発生した場合、約定に従い給付する保険である。これは、主に厳重特殊感染性肺炎(新型コロナウイルス感染症)による隔離や医療等に対応するため、保険金や給付金を支払うものである。
保険の対象となる所定の事故が発生するとき、例えば一般市民が感染し又は隔離された場合、その損害は市民にとって金銭で見積もることができなく、保険会社は一定金額の給付金を当該市民に支払い、このような保険の性質は定額保険である。また、定額保険が補てんしようとする損害は金銭で見積もることができないため、何件保険を加入しても、給付金をいくら受け取っても、損失した金額を超えると認めることができない。
保険の対象となる所定の事故は、感染により診療を受ける必要があれば、約款に従い実際に支出した医療費用を支払う「実費補償タイプ」でも、適切な医療環境を提供し、感染した市民の体・健康の損害に「診療提供タイプ」でも、一般市民が医療費用を支出し損害を受けたことを補てんするのが目的であるので、損害保険のカテゴリに入る。ただし、台湾の一般市民には既に全民健康保険があるので、役に立つ機会は少ないのである。
所得があるからこそ、課税・非課税を判断する必要がある
ある収入は所得である限り、所得税法に従い、課徴か非課税かを判断する必要がある。ある所得が非課税となったことは、優遇である。前述の通り、コロナ保険の保険金や給付金は、パンデミックが一般市民にもたらした損害を埋め合わせるものに過ぎず、定額保険でも損害保険でも、損失より多く儲ける状況にはならないので、当然に所得と言えず、課税する必要もない。
その一方、所得税法第4条第1項第7号によると、生命保険の給付金の支払は、非課税になる。また財政部70年7月8日付け財税第35623号書簡によると、生命保険の給付金とは、保険業者が保険法の生命保険章に基づき行った保険であり、契約者と締結した保険の約款により、「被保険者」に成す支払という。そのため、生命保険の給付金の支払は、項目や名称にかかわらず、所得税法第4条第1項第7号により、いずれも非課税のものである。すなわち、所得税法と財政部の書簡によれば、生命保険の給付金は所得であるものの、生命保険制度と社会安全制度と関連していることを考慮し、社会と経済政策に合わせて、非課税となったことを認めたのである。
保険の給付金は、非課税となる
所得税法の目的は、当事者に所得があるから課税するのである。そのため、防疫保険に加入し給付金の支払が定額の生命保険である場合、1人で何件も加入しても、受け取った給付金は所得になるか否かまだ論議する余地があるかもしれないが、その性質は生命保険の給付金であるため、非課税となる。財産保険に基づき給付金を受け取れば、損害補てんであるため、所得ではなく、所得税も生じない。ただし、注意していただきたいのは、医療費用が給付金を受け取った場合、確定申告で医療費控除を受けることができない。
(この文章は「名家評論コラム」に掲載。https://view.ctee.com.tw/tax/43980.html)