金管会は、6つの対応策を公布、高齢投資者の保護措置を強化

2022-04-19

国家発展委員会は、台湾の65歳以上の人口は2025年に20%を超えることを推定している。高齢投資者の保護を重要視させるように、金融監督管理委員会(以下金管会という)は、証券・先物業者組合に自律規範の作成、65歳以上の自然人に対し、6つの保護策を立てるよ指示し、また2022年4月8日に、その自律規範を

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国家発展委員会は、台湾の65歳以上の人口は2025年に20%を超えることを推定している。高齢投資者の保護を重要視させるように、金融監督管理委員会(以下金管会という)は、証券・先物業者組合に自律規範の作成、65歳以上の自然人に対し、6つの保護策を立てるよ指示し、また2022年4月8日に、その自律規範を承認した。その内容について、次のように説明する。
1. 顧客リスクレベル評価(Know Your Customer,KYC作業)
高齢の顧客に対し、弱点(vulnerability)の有無を効果的に評価するため、そのリスクの特性に合ったリスク属性を評価するスキームを構築すべきである。高齢の顧客の適合確認を定期的にするとき、そのリスク許容度に変更が現れ、元々約定の投資条件のリスクレベルに合致しなければ、元々約束した条件に従い、定期・定額の投資作業を行わければならない。ただし、引き落とす金額や頻度を新たに増やしてはならない。
2. 商品リスクレベル評価(Know Your Product,KYP作業)
高齢の顧客に対し、商品リスクレベル評価を行うとき、影響の高い要素を適当に検討すべきである。例えば、期間の長い、流動性の低い、新しい種類もしくは複雑である等、理解しにくい商品内容と枠組み、投資本金に損する程度を把握させること等は、そのリスクレベルを充分に反映し、特性を明記すべきである。
3. 適合度評価
高齢の顧客の弱点と財務特性、推薦しようとする商品の特別なリスク事項等を考慮しなければならない。推薦しようとする商品の適合性及び推薦理由を適切に評価し、説明することによって、推薦商品が確かに高齢の顧客に合うことを確認する。
4. 告知及び開示義務
マーケティング及び契約の可読性を向上しなければならない。その内容について、書体の大きさ、内容の分かりやすさを含むが、これに限らない。顧客の重大な権利移転に係る場合、事前に約定の適切な方法で知らせるものとする。重大な権利移転とは契約変更、取消、解除、巨額の資金・資産の異常な移転を含むが、それらに限らない。
5. 優しい心遣い
高齢の顧客が詐欺被害に遭わないよう、その特殊行為(例えば第三者が電話で取引を指示、巨額の資金・資産移転、高リスク商品に集中投資、リスクレベルを突然に上げて高リスク商品を購入する等)に対し、適時に取引のリスクに注意喚起する。
6. 取引モニタリング及び確認メカニズムの強化
高齢の顧客の高リスク商品に関する取引について、監視及び確認メカニズムを強化しなければならない(例えば業務スタッフ以外の従業員が取引を行う、又は管理職に許可される、又はコンピューターシステムにより管理される)。高齢の顧客が適用する取引モニタリングシステムを構築し、確認メカニズムを強化する(例えば定期的に高齢の顧客を訪問する、インターナル審査メカニズムの向上等)ことによって、早い段階で異常取引を検知する。
 有価証券・先物業界の内部規則規程とシステムの調整に合わせるため、金管会は6ヶ月の猶予期間を与えた。上掲の自律規範は、2022年10月1日から施行するものとする。また、その自律規範をうまく実行するため、金管会は、有価証券・先物組合に、その会員の内部規則規程の作成、及び関連スタッフの教育訓練を指導するよう要求した。