近年、セットトップボックス(STB)・アプリケーションソフト(APP)など新興のデジタル的権利侵害は、著作権者の合法的権益に深刻な影響を与えている。台湾の立法院は、2019年4月16日に著作権法第87・93条改正案を採決し、これら新興技術の侵権型態を著作権侵害として明確に規定している。当該新興権利侵害物の提供行為は刑事責任にも関係しているので、関連業者は慎重に対応すべきである。
詳しく説明すると、他人が公開放送または公開伝送にするさせた著作(以下「当該著作」という)は著作財産権を侵害したことを明知しながら、インターネットを通じて公衆に当該著作に意図的に接触させようとする行為、例えば広告その他の積極的な措置をもって、公衆を教唆・誘惑・扇動・説得して利用させ、かつ下記事情のいずれに該当し、利益を得ている場合は、著作権侵害とみなされる:
1. 当該著作のIPアドレスを集めるコンピュータープログラムを公衆の利用に提供すること:例えば、権利侵害物である著作のIPアドレスを集めるアプリケーションソフト(APP)をインターネットプラットホームに設置した場合。
2. 前掲コンピュータープログラムを公衆に利用させることに、指導、協力またはデフォルトルートの設定を行うこと:例えば、セットトップボックス(STB)に権利侵害物である著作のIPアドレスを集めるコンピュータープログラムを設置しなかったものの、デフォルトルートで公衆に自らが当該コンピュータープログラムを利用できる手段を提供した場合。
3. 前掲コンピュータープログラムを搭載する設備あるいは器材を製造、輸入または販売すること:例えば、権利侵害物である著作を集めるセットトップボックス(STB)を製造、輸入または販売した場合。
したがって、今後、権利侵害物である著作を提供するコンピュータープログラム、関連設備および器材、またはコンピュータープログラムを提供しなかったものの、公衆に利用させようとする場合、いずれも著作権侵害に該当する。侵権者は新法により2年以下の有期懲役、拘留またはNT$50万元以下の罰金が科される可能性がある。