2024年以降上場・店頭公開企業の董事会の構成変化

2024-02-15

2023年3月28日、台湾の金融監督管理委員会(以下「金管会」という)は「上場・店頭公開企業持続可能な発展に関する行動計画」を発表し、持続可能な発展を積極的に実践する目的を達するよう、2023年から2027年まで関連政策を逐次に推し進める予定である。持続可能な企業ガバナンスを深めるために、主務官庁は

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蕭大爲研修弁護士

2023年3月28日、台湾の金融監督管理委員会(以下「金管会」という)は「上場・店頭公開企業持続可能な発展に関する行動計画」を発表し、持続可能な発展を積極的に実践する目的を達するよう、2023年から2027年まで関連政策を逐次に推し進める予定である。持続可能な企業ガバナンスを深めるために、主務官庁は上場・店頭公開企業の董事会の構成に対し一定な強制規範を行った。2024年に遵守すべきな規範及び今後推し進められる目標について、次のとおり紹介する。

一、上場・店頭公開企業の独立董事の最低人数と任期制限

台湾では、上場・店頭公開企業の独立董事の人数と任期の制限について、強制的に制限している。その制限は、「台湾証券取引所股分有限公司上場企業董事会設置及び職権行使に遵守すべき事項要点及び財団法人中華民国証券店頭売買センター店頭公開企業董事会設置及び職権行使に遵守すべき事項要点」(以下「上場要点及び店頭公開要点」という)において規定されている。

資本金額が100億台湾元以上及び金融保険業の上場・店頭公開企業に対し、2024年からその独立董事に最低人数が定められ、董事会構成員の3分の1未満になってはならない。また、独立董事の役割を引き続き強化するために、2027年以降、全ての上場・店頭公開企業の独立董事は前掲の最低人数に合致しなければならず、董事会構成員の3分の1未満になってはならない。それから任期制限を調整する原因として、独立董事の独立性を影響した今までの「万年独立董事」を修正することが挙げられる。資本金額が100億台湾元以上及び金融保険業の上場・店頭公開企業は、2024年からその独立董事の半分以上は3回以上連続して選任されてはならない。さらに、2027年以降、全ての上場・店頭公開企業の独立董事全員の任期は、3回を超えてはならない(上場要点及び店頭公開要点第4条第3項、第4項)。

二、上場・店頭公開企業の董事会構成は性別多様化すべき

男女共同参画の意識は次第に進んでいるものの、コーポレートガバナンスセンターの統計によれば、2023年上場企業における女性董事の比率は15.59%にとどまり、店頭公開企業のそれも16.54%しかなかった[1]。国際風潮に合わせ、台湾でのコーポレートガバナンスを向上させるために、香港[2]やEU[3]、マレーシア[4]等のシステムを参考し、董事会構成の性別多様化を重要視することを上場・店頭公開企業に要求し、実質的平等及び持続可能な発展を促す。

台湾の金管会は、性別多様化を推し進める目標を三段階に分けている。第一段階は、初めて上場・店頭公開を申請する企業に対し、その董事会には少なくとも1名の性別の異なる董事を含むこととする。第二段階は、2024年から上場・店頭公開企業の董事が任期満了となり再選されるとき、少なくとも1名の性別の異なる董事を選任するものとする(上場要点及び店頭公開要点第4条第2項)。第三段階は2025年から始まり、上場・店頭公開企業にいずれの性別の董事が3分の1未満であれば、年次報告書にその原因と対応措置を具体的に開示しなければならない。

三、要点を遵守しなかった場合の処罰

上場・店頭公開企業が前掲の最低人数、任期制限及び性別多様化の強制規定を守らなければ、主務官庁は故意や重大な欠陥の有無を考量した後、最高新台湾ドル500万元の違約金を処する可能性がある(上場要点及び店頭公開要点第8条、第27条)。また、今後企業がコーポレートガバナンス評価に参加するとき、不利な影響が出るかもしれない。

四、結論とアドバイス

企業の制度と構成は常に政策について時代とともに進まなければならない。持続可能な発展に達するためには、政府と企業の協力に尽きる。2024年、店頭公開企業は自分の構成が現行政策の規範に適合しているか否かを注意するほか、今後の政策のために予め準備しておき、専門的なアドバイスを求めるとよい。

[1] 詳しくはコーポレートガバナンスセンターが発表した上場・店頭公開企業董事会構成員平均性別比率の統計データを参照する。

[2] 詳しくは香港主板上場規則13.92条を参照する。

[3] 詳しくはDirective (Eu) 2022/2381 of The European Parliament and of The Council of 23 November 2022.を参照する。

[4] 詳しくは韓国金融投資サービス及び資本市場法(FSCMA)第165-20条を参照する。