台湾の家族企業は、国内で家業伝承信託の選択には二つの方法がある。一つは自益株式信託で、もう一つは公益信託を設立することである。それは企業経営を強化し、家業伝承の目的を達成する手段である。
公益信託を伝承の枠組みとして選択する場合は、通常は家族企業の経営者が家族企業の株式やその他の財産を公益信託へ寄付し、株主権を当該公益信託の監察人へ任せる。家族支配の目的を達成するため、監察人は代々の家族メンバーから選任する。それから、公益信託の運営と公益を実現するため、公益信託にも諮問委員会や顧問、運営委員会、配分委員会など、有効的で補助的な任意の委員会を設置し、受託者や信託監察人を補佐する。
しかしながら、近年では多くの家族が公益信託を通し、グループの株式をコントロールする手段にするので、「うその公益、本当の租税回避、本当の投資」と指摘されたため、主務官庁は信託法の中で公益信託に関する改正を検討し、公益信託の「公開透明」や「公益支払」を貫徹しようとしている。法務部が2019年8月15日に公告した信託法改正案では、公益信託は寄付名簿リストを公開しなければならない、特定の親族関係は信託監察人になってはならない、毎年信託主旨により信託事務を処理する歳出は、当年度の総歳出の50%を超えなければならない、財産総額や年収総額は一定の比率に達すると会計士認証を取得することなどを要求している。
それによって、今後家族企業の経営者は公益信託を通し家族企業の株式をコントロールする手段とするなら、公益信託資産及びその関連使い道を公開しなければならぬことに注意すべきである。目的事業の主務官庁は今後公益信託の関連信託事務及び財産状況を積極的にチェックする可能性があり、家族財産の隠密性を保ちたい家族企業の経営者にとって、家族企業の株式をコントロールする手段として公益信託は利用しにくくなってきた。