2024年12月30日、金融監督管理委員会は金管証投字第1130367069号令を公布し、証券投資信託およびコンサルティング法第4条第3項第3号により、証券投資コンサルティング企業(以下「証券投資コンサル業」という)がクライアントの委任を受け、ファミリーオフィスとコンサルティングを統合する業務を取り扱うことを許可した。
ファミリーオフィスとコンサルティングを統合する業務とは、証券投資コンサル業が信託、財務、法律、税務、チャリティー、教育サービスなどを提供する専門家や企業と協力し、クライアントの事業承継と財産相続を目的とするコンサルティング業務を指す。
証券投資コンサル業は金融監督管理委員会へ申請し、許可されてからこの業務を取り扱うことができる。業務を行うとき、委任者とファミリーオフィス・コンサルティング統合契約を締結するものとし、各4半期終了後5営業日以内に、投資信託コンサルティング協会へ関連情報を申告しなければならない。
家族憲章(family constitution)を通してファミリーオフィス(family office)を設置し、ファミリーオフィスの業務範囲(例えば財産投資、税務管理、法務、慈善寄付、私立学校の管理、家族旅行などファミリーに関連すること)を明文化することで、ファミリーガバナンスと事業承継を実現することができる1。ファミリーが証券投資コンサル業を委任し、ファミリーオフィスを立ち上げるとき、家族憲章における関連事項を併せてファミリーオフィス・コンサルティング統合契約に明記しすべく、私法契約の拘束力を家族憲章に与え、ファミリーのメンバーとファミリーオフィスのスタッフに確実に遵守させれば2、ファミリーの持続可能な発展という目標につながる。
今回金融監督管理委員会が証券投資コンサル業のファミリーオフィス業務取扱を許可したのは、「マルチファミリーオフィス(multi-family office)」というパターンをとっており3、証券投資コンサル業は異なるファミリーにサービスを同時に提供でき、経営範囲の拡大が望まれる。
注1:王志誠、〈ファミリービジネス承継のパターン選択――非公開会社と家族信託の組み合わせの適用と注意点〉、月旦法学誌第298期、80頁、2020年3月。Allison Anna Tail, The Law of High-Wealth Exceptionalism, 71 Ala. L. Rev. 981, 999–1000 (2020).
注2:王志誠、〈家族憲章がファミリー事業承継における働きおよび限界〉、当代法律第23期、24-25頁、2023年11月。
注3:中華民国信託事業協会、〈台湾における家族信託モデルに関する提案と構造分析〉、中華民国信託事業協会研究レポート、16頁、2018年12月。