一、 前書き
去年(2019)12月31日は年越しの日でありながら、もう一つ注目的な大事件が発生した。それは立法院が反浸透法を第三読会で可決・成立させたことである。情報社会にいながら、現代の戦争はよく情報戦という形で現れることが分かる。海外資金及びフェイクニュースが選挙に影響することに対し、各民主先進国は次々と法律を作り対応しているので、台湾もその例外ではない。しかしながら、国から人民の国際間の特定の交流活動を管制することは、表現の自由や営業自由など基本権利を制約しすぎる恐れがあるとか、確かに民衆と企業を心配させている。以下は法案内容を簡単に紹介し、各界にご参考になるよう結論を出してみた。
二、 反浸透法の概要説明
(一) 反浸透法の条文は全部で12条あり、その中には新しい犯罪形態はなく、おおよそ現行法規、例えば政治献金法、正副総統選挙罷免法、公民投票法、ロビイング統制法、社会秩序保護法及び集会・デモ法などの規範対象や罰則の不足を補充する形である。こういった法規らは、当地協力者(通称「白い手袋(パイプ役)」)を規範することを見落としたり、罰則が軽すぎたり(過料しか科さない)するので、今回反浸透法を作ったのは、これらの抜け目を補強するのである。
(二) 反浸透法の条文を総覧すると(第3条から第7条まで)、処罰を与える行為は大体3種類に分類できる:選挙の影響、民主手続きの干渉、社会秩序を妨害する行為であり、具体的には以下の五つの行為である:
1. 違法の政治献金をすること
2. 違法の選挙活動に従事すること
3. 違法のロビー活動を行うこと
4. 集会・デモ及び社会秩序を違法に破壊すること
5. ディスインフォメーションを散布し、選挙を妨害すること
(三) 同法では、客観的に「域外敵対勢力」の指示や委託、あるいは資金援助を受けて「浸透行為」をするほか、上記の具体的な「違法行為」をも従事する者で、主観的にも上記の「浸透行為」及び「違法行為」を認知しその発生を促した者でなければならない。以上の主観・客観的な要件を満たしてから、反浸透法に反することになる。意図でない協力行為は、すぐに非難されるものではない。
三、 結論
反浸透法の趣旨は浸透や干渉の違法行為に対するものであり、特定した身分や対象に対するものではない。規範された行為は前出の紹介した通り、主観・客観的な要件ともに制限があるゆえ、企業が一般的に、普通に中国との交流は法に反する恐れはない。しかしながら、商業活動の多様性に基づき、抽象的な法規をビジネスの様々な姿に当てはめると、違う解釈が生じることが避けられない。同業者の間に正常に思う商業交流は、主務官庁に違う認定をされるリスクを排除できないので、注意しなければならない。企業の方々(特に台湾の会社)は推し進めたい関連交流活動に疑問を抱ければ、弊所までお問い合わせください。
参考資料:
立法院第三読会で「反浸透法」可決・成立
https://www.lawbank.com.tw/news/newscontent.aspx?nid=165329.00
大陸委員会ニュースリリース:「反浸透法草案」憲法に合致、妥当で実行できる、明確で慎み深い
https://www.mac.gov.tw/news_content.aspx?n=05b73310c5c3a632&sms=1a40b00e4c745211&s=2d78ceaa8f3da5de