経済部、「企業合併法」一部改正(案)を予告

2020-10-12

2018年11月30日付け司法院釈字第770号解釈では、現行の企業合併買収法(M&A法)の条項の一部が妥当でないと指摘した。同解釈が指摘した検討すべきところ並びに各業界から合併の柔軟性の強化及び株主権益の保護に対する呼びかけに応じるため、経済部は2020年10月7日に「企業合併買収法」一部条項の改正

作者

作者

原文連結 https://www.fblaw.com.tw/tw/news/legalnews?dbid=6472704985

一、2018年11月30日付け司法院釈字第770号解釈では、現行の企業合併買収法(M&A法)の条項の一部が妥当でないと指摘した。同解釈が指摘した検討すべきところ並びに各業界から合併の柔軟性の強化及び株主権益の保護に対する呼びかけに応じるため、経済部は2020年10月7日に「企業合併買収法」一部条項の改正案を公表した。当該草案のポイントは、以下の通り説明する。また、釈字第770号解釈が指摘した検討すべき部分に関しては、《釈字770号解釈が会社及び株主に啓発したこと》 https://www.fblaw.com.tw/tw/news/legalnews?dbid=3593714177を参照してください。

二、今回公表した企業合併法の一部条項の改正案は、「株主権益保護の強化」﹑「非対称性合併の適用範囲の拡張」及び「租税措置の拡大」を含めている。

(一)株主権益保護の強化

1、会社は、株主総会の会議案内の中で、M&Aに利害関係のある取締役につき、その利害関係の重要内容及びM&Aの議決に賛否した理由を記載しなければならない条項を追加した。

2、株式を公開発行する会社に、持株が10%を超えた株主が同時に他のM&A対象会社の取締役を務めている場合、株主総会においてその利害関係の重要内容及びM&Aの議決に賛否した理由を説明すべきであり、株主総会の会議案内の中で記載しなければならない条項を追加した。

3、 現行の企業合併買収法第10条に定めた株主表決権に関して、信託契約の書面は登記のため会社に送付しないと会社に対抗できないという規定は、その送付する期限を「株主総会5日前まで」から「定時株主会議30日前まで」、「臨時株主会議15日前まで」に改正した。また、会社法第175条の1株主は書面契約をもって表決権の行使方法を約束できることと、表決権信託契約の関連規定は、株式を公開発行する会社を排除したものの、今回企業合併買収法の改正案は、株式を公開発行する企業の株主はM&A決議事項について表決権信託契約を締結することができると明確した。この場合は、会社法を優先的に適用でき、定時株主定時会議60日前、臨時株主会議30日前までに会社に送付すべきである。

4、投票をもって合併に反対する株主も、株式買収請求権を行使できるとい規定を追加する。

(二)非対称性M&A(即ち非対称性合併、株式譲渡、分割)の適用範囲の拡張

現行の企業合併買収法では、M&Aに参与する一方が「M&Aのために発行する新株式総数は、発行済み議決権数を有する株式総数の20%を超えていない」及び「給付する現金や財産価値の総額は、会社の純資産の2%を超えていない」の二つの条件に満たしている場合、株主総会の関連決議は必要なく、取締役会の特別決議をもってM&A契約を承認することができると規定している。今回の改正案では、非対称性M&Aの適用条件を、M&Aの一方が「M&A案のために発行する新株式総数は、発行済み議決権数を有する株式総数の20%を超えていない」若しくは「給付する現金や財産価値の総額は、会社の純資産の20%を超えていない」のどちらかに合致すればよいと拡張した。

(三)租税措置の拡大

1、企業がM&Aにより取得した無形資産は、実際の取得コストを一定期間内において均等に配分し償却することができる。

2、合併買収されたベンチャー企業の個人株主が取得した株式の対価は、所得税法に従い算出した配当金所得の全額を次年度から第5年目に所得税納付を繰り延べることを選択できる。

*参考資料:

1. 経済部109年10月7日公告https://www.moea.gov.tw/Mns/populace/news/News.aspx?kind=2&menu_id=41&news_id=91723

2. 司法院釈字第770号解釈全文(司法院サイトにリンクする)

https://cons.judicial.gov.tw/jcc/zh-tw/jep03/show?expno=770