今年8月25日に、金融監督管理委員会は正式に「コーポレートガバナンス3.0-ロードマップ」を発足した。「取締役会の機能を強化して企業価値を高めること」、「情報の透明性を高め、持続可能な経営を促すこと」、「利害関係者との意思疎通を強化し、良好な交流ルートを築くこと」、「国際規範に合わせ、受託責任をリードすること」及び「持続可能な企業統治文化を深め、多様な商品を提供すること」を5本の柱とし、今後3年間、合計39項目の具体的措置を推進し、健全かつ持続可能な(ESG)ビジネスを営みつつ、台湾におけるコーポレートガバナンス及び資本市場での国際競争力を強化する。その中で重要な措置は、以下の通りである。
一、 取締役会の運営及び取締役の役割の強化について
取締役会が有効に運営することを支援するため、以下の措置を行う。①2024年から株式上場・店頭公開会社の独立取締役の人数は取締役全員の3分の1以上とし、半数以上の独立取締役の任期は3回以上連続してはならないこと。②事業リスク管理体制の構築、③コーポレートガバナンスの管理職を設置すること、④多様な役員研修計画の提供、⑤独立取締役及び監査委員会の職権行使の参考範例の策定、⑥株式上場・店頭公開会社に指名委員会を置くこと。
二、 情報開示の強化について
企業にESGを重視させ、投資者の意思決定に役立つESG情報を提供するため、①株式上場・店頭公開会社の持続可能性に関する報告書の情報開示を強化すること、②払込資本金が20億元に達する株式上場・店頭公開会社は、2023年から持続可能性に関する報告書の作成・提出を要求するものとし、第三者による持続可能性に関する報告書の検証範囲の拡大。財務情報開示の透明性及び迅速性をさらに推進するため、③払込資本金が100億元に達する株式上場・店頭公開会社は、それぞれ2022年、2023年から、払込資本金が20億元に達する株式上場・店頭公開会社は2023年から、全ての株式上場・店頭公開会社は2024年から、年度終了後75日以内に前年度の自社決算情報を公開すること。
三、 利害関係者との意思疎通の強化について
株式上場・店頭公開会社の取締役会の運営を強化するため、①自社で株式に関する業務を行う場合、その業務の中立性を強化し、電子投票の結果に関する情報の透明性を高めること、②株式上場・店頭公開会社の毎日の株主定時総会の招集社数はそれぞれ2021年、2022年から90社と80社まで減らし、株主が定時総会に参与する権利を保障すること。
四、 受託責任のリードについて
台湾の株式市場において、外国人持ち株比率が徐々に上昇しており、、国際投票諮問機構の台湾の株式発行会社に対する影響力も徐々に高まっていることに鑑み、①サービス提供者の法令遵守の行動指針を追加、②国際投票諮問機構と国内の株式上場・店頭公開会社と協議するシステムの立ち上げ、③台湾における受託責任のサプライチェーンの拡大、④機関投資家の受託責任に関する情報の開示の推奨、⑤機関投資家に関する評価システムを構築するなど、機関投資家が確実にアクティビストになり、台湾の株式市場におけるコーポレートガバナンスを向上させること。
五、 企業が自発的にガバナンス及び持続可能な発展を実現することについて
気候変動や新型コロナが世界に衝撃を与えていることから、世界各国は環境と社会の持続可能な発展を重視し始めた。資金は市場メカニズムに導かれ、持続可能な発展に投入されることにより、企業も自発的に持続可能をめさす課題を重視するため、持続可能な発展債券を発行し、持続可能な開発目標(SDG)債券、ソーシャルボンド及びグリーンボンド等持続可能な発展に関する商品の販売促進すること。また、コーポレートガバナンス評価効果を持続的に向上させ、中・小会社の評価ランキングを公表することによって、株式上場・店頭公開会社が自発的にコーポレートガバナンスの品質を高めるよう促すこと。