証券取引所は財務諸表観察期間を緩和し、科学技術・文化・スタートアップ事業者の上場申請を奨励する

2020-12-15

台湾の証券取引所は、今(2020)年12月8日に‹台湾証券取引所株式会社有価証券上場審査基準(以下「審査基準」という)›第4条、第5条、第19条、第20条、第28-1条、第28-6条を改正した。

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台湾の証券取引所は、今(2020)年12月8日に‹台湾証券取引所株式会社有価証券上場審査基準(以下「審査基準」という)›第4条、第5条、第19条、第20条、第28-1条、第28-6条を改正した。

改正前審査基準第4条第2項第4号では、「株式上場を申請する発行会社は、その市場価値が新台湾ドル50億元以上であり、かつ、下記各号の要件を満たす場合、その株式の上場を承認する。…四、直近期及び直近会計年度の財務諸表の純資産は、財務諸表で記載されている資本金の3分の2を下回らなかった。」と、改正前同条第3項第3号では、「株式上場を申請する発行会社は、その市場価値が新台湾ドル60億元以上に達し、かつ、下記各号の要件を満たす場合、その株式の上場を承認する。…三、直近期及び直近会計年度の財務諸表の純資産は、財務諸表に記載されている資本金の3分の2を下回らなかった。」と、それぞれが規定されていた。今回の改正においては、「直近会計年度の財務諸表の純資産が財務諸表に記載されている資本金の3分の2を下回らなかった」という規定が削除されている。そこで、今後、「直近期の財務諸表」のみが観察の対象とされる。なお、科学技術事業又は文化事業を規定する審査基準第5条、持株会社への投資を規定する審査基準第20条、及び外国発行会社を規定する審査基準第28-1条についても、同じな改正が行われている。

証券取引所は、ルール改正の趣旨としては、国内外の科学技術、文化及び収益のない大型スタートアップ事業の上場を奨励するものであると、明確に示している。これらの事業者は、通常、存続年限が短いこと、投資金額が高くて運営実績が芳しくなく、赤字になってしまうこと特徴を有している。そこで、これらの事業者が資本市場の集金機能をうまく利用し、資金を募集して運営規模を拡張することを促進させるため、財務諸表の観察期間を緩和し、事業者の上場申請のハードルを下げることになる。