2021年4月9日、立法院は第三読会にて房地合一稅(建物と土地の売却益に同一基準で所得税を課すこと)の改正を可決し、2021年7月1日から施行することになる。財政部によれば、今回の改正は、投機筋の短期的な不動産取引による値ざや稼ぎを防止するためである。改正の要点を以下の通り説明する。
(一)個人の高税率を適用する不動産の保有期間を延長
1、個人が国内において45%税率を適用する不動産の保有期間は、1年から2年に延長する。
2、個人が国内において35%税率を適用する不動産の保有期間は、1年超え2年未満から、2年超え5年未満に延長する。
3、個人が海外において45%税率を適用する不動産の保有期間は、1年から2年に延長する。
(二)国内法人の不動産取引を規範に入れた(所得税法第24条の5を改正)
1、現行の法規制では、法人が国内において不動産を保有する期間に関わらず、すべて20%の税率を適用する。新規規制では、個人の国内における保有期間と同じ税率で計算する。
2、法人が海外において45%税率を適用する不動産の保有期間は、1年から2年に延長する。
(三)預售屋(青田売り)及び特定株式取引を課税範囲に入れた(所得税法第4条の4、第14条の5を改正)
預售屋(青田売り)及びその敷地を取引する、一定条件を満たした株式若しくは出資額は、不動産取引と見なす。
1、現行の法規制では、預售屋(青田売り。着工しておらず、新築かつ未完成の不動産物件を販売することを指す。)を処分すれば、財産を取引する所得になり、個人の場合は総合所得税に編入し課税する。営利事業の場合は、営利事業所得税として計算する。新規規制では、預售屋(青田売り)を処分することは不動産取引とみなし、房地合一稅を適用する。
2、新規規制では、個人及び営利事業の取引において、その直接か間接的に保有する株式若しくは出資額が過半数の国内外営利事業の株式若しくは出資額であれば、当該営利事業の株式若しくは出資額の価値の50%以上は中華民国国内にある家屋や土地である場合、その取引は不動産取引とみなし、房地合一稅を適用する。
(四)土地の値上げ総額に、控除の上限を増設する。(所得税法第14条の4を改正)
新規規制の課税基礎=不動産収入―コスト―諸経費―「土地値上げ総額(取引する当年度の公告土地現在価値―前回譲渡価値)」
(五)適用する期間
2016年1月1日以降に取得する家屋・土地は、2021年7月1日までに譲渡すれば、現行の法規制の保有期間の税率を適用する。2021年7月1日以降に譲渡する場合、新規規制の保有期間の税率を適用する。