国家通訊伝播委員会(NCC)は2021年7月21日に、〈特定電気通信サービス市場定義〉のパブリックコメントの案の可決を公表し、近いうちに意見公募を行い、各界の意見を募集する予定である。
〈電信管理法〉第27条、第28条によれば、電気通信サービス市場の有効的競争を保障するため、主務官庁は必要な範囲において、特定の電気通信サービス市場の市場支配者(SMP)に対し、特別な管理措置を取ることができる。主務官庁は特定の電気通信サービス市場を画定する際に、技術とサービスの発展レベル、電気通信サービス市場全体に対する重要性、競争する地域や範囲、当該サービスの需要や供給の代替性、電気通信サービス市場の構成及び競争状況等を総合的に考慮すべきである。電気通信事業が特定の電気通信サービス市場において、市場価格やサービス条件を影響できる著しい能力を持つ、又はその経営する特定の電気通信サービスの利用者数や売上高は主務官庁が公告した比率以上に達する、又は電気通信施設の要を持つ若しくは支配する場合、主務官庁は市場支配者と認定することができる。
NCCはこのパブリックコメントの案において、初歩的に台湾で有効的競争がなく、事前に管制する必要のある特定の電気通信サービス市場を画定することを提出する。これらの電気通信サービス市場とは、固定電話音声通話サービス小売市場、固定電話ブロードバンドサービス小売市場、固定電話卸売サービス市場、固定電話音声接続サービス、移動電話音声接続サービス市場の5つである。
注意すべきのは、実はNCCが上掲の規定により、電気通信サービスの競争市場に対し実質的な認定と管制を行っていることである。しかしながら、市場を定義することは本来、公平会の権限であり、電信管理法において明文で公平会の電気通信サービス市場に対する管制権限を排除していない限り、管制上の重なりや真空が生じやすいのである。両者の認定が矛盾していれば、業者はどちらに従えばよいのか分からなくなる。機関機能の最適化の側面から見ると、一般的な市場認定に対し、公平会はその専門性を持っているが、NCCはそれより電気通信サービス市場の運営をよく把握している。そのため、どの機関が電気通信サービス市場を認定すべきか、又はNCC及び公平会には複数機関による連携、協働の可能性があるか、更なる深い討論が必要である。現制度では、NCCと公平会はそれぞれ認定する職権と責任があり、〈電信管理法〉と〈公平取引法〉もそれぞれの認定後の法律効果が異なている。
市場認定について、その範囲と区分は、市場支配者の認定に直接に影響する。〈電信管理法〉第29条から35条によれば、市場支配者に認定される業者は、非対称規制(Asymmetric Regulation)が適用され、差別的待遇してはならず、情報公開や強制的接続、価格管制、会計分離等の義務が課されているので、業者への影響は莫大である。
前掲のパブリックコメントの案について、業者のコンプライアンスは、〈電信管理法〉や〈市場支配者の認定及び解除実施弁法〉に従い、自分が市場支配者に認定される可能性はあるか、認定される根拠は何か、異なる認定方法はあるかを確認すべきである。疑問がある場合、速やかにその意見を提出し、自分の権益を守るべきである。