デジタル技術の向上につれ、株主がテレビ会議をもって定時株主総会に参加し、株主としての権利行使も普及しつつある。株主の権益を保障し、株主行動主義を促すため、経済部は「テレビ会議による定時株主総会」に対し、2021年8月30日に会社法(以下同法という)第172条の2、第356条の8の改正案を予告した。今回予告した改正案の内容につき、すなわち会社がテレビ会議で定時株主総会を招集する関連規定、テレビ会議による取締役会の規定を紹介する。当所は引き続き改正案の進捗状況をフォローアップする。
一、 定時株主総会(同法第172条の2、第356条の8を改正する予定)
(一) 会社は定款において明文で定めないと、テレビ会議で株主総会を招集することができない規定を削除する。
同法第172条の2、第356条の8では、「定時株主総会を招集するとき、テレビ会議若しくはその他中央主務官庁が公告した方式をもって行うものとする、と会社定款に明文を定めることができる。」と規定されている。その一方、科学技術の発展と会社のデジタル化会議の需要に鑑み、「定時株主総会を招集するとき、テレビ会議若しくはその他中央主務官庁が公告した方式で行うものとする。」と改正し、会社の定款には明文のない股份有限公司(株式会社)、閉鎖型股份有限公司(閉鎖的株式会社)は、テレビ会議で定時株主総会を招集することが認められる(同法改正案第172条の2第1項、第356条の8第1項)。
(二) 公開発行の株式会社の適用を緩和する。
現行法によれば、公開発行の株式会社は、テレビ会議をもって定時株主総会を招集してはならない。今回の法改正は、公開発行の株式会社のテレビ会議をもって定時株主総会を招集することを認めた。ただし、公開発行の株式会社の株主人数が夥しいことを考慮し、テレビ会議で株主総会を招集することの影響は大きいので、株主の権益を保障するため、公開発行の株式会社の適用要件、関連作業手続き及びその他遵守すべき事項等、証券主務官庁が別段の規定がある場合、その規定に従う(同法改正案第172条の2第3項)。
二、 董事会(現行法の規定)
(一) テレビ会議による董事会の開催
現代電信技術の発達を鑑み、董事がテレビ会議で相互に討論することができ、しかもその効果が自ら出席することと同じであるので、董事がテレビ会議で董事会に参加することが認められる。(同法第205条第2項)。
(二) 書面による議決権の行使
会社運営の柔軟性と企業自治を強化するため、多様な方法による董事会の開催を認める外国法の例を参考し、公開発行の株式会社を除き、会社は定款において、董事全体が同意すれば、当回の董事会の議案について書面で議決権を行使し、実際に集まらなくても開催済みとみなすことを定めることができる(同法第205条第5項から第7項)。